秋岡芳夫展(於 目黒区美術館)で木の小皿を二つ購入した。図版なども良いのだが、ここは実物でと考えたのだ。
百聞は一見にしかず、見ての通り、一石二鳥の実用的アイデアが良い。
秋岡さんは木工家であり工業デザイナー。つまり、考えることから作ることまでこなしてしまうわけで、文句のつけようの無い存在だろうと思っていた。
ところが、展覧会を見るとそれどころではないのだ・・・と分かる。木製品はもちろん、鉛筆からラジオ、オートバイにいたるまで日常生活の様々をデザインしてしまう幅の広さ。地場産業との協働などもとっくに行っていた様子。さらに、子供が生まれると絵本作家にもなってしまうなど、一体どうやってこなしていたのだろう・・・そして数千本もの竹とんぼ・・・圧巻の活動内容であった。
余談だが、展示の中で、漆塗りのお椀とプラスチック製のお椀をそれぞれ半分に割り、断面が分かるようにして並べてあった。「同じように見えても中身は全然違うでしょ」ということなのか?「これを機会に違いが分かるようになってね」ということなのか?
自分では手で触っても重さを感じてみても音を比べても違いがわからない・・・さて、どうしたものか。ホンモノって一体何なのだろう・・・