室内を借景にする

2008/12/12

住居について

正方形のスペースとそれをコの字に囲う細長いスペース。
(静的空間と動的空間と言ってもいいかもしれません。)
こんな対比的な入れ子状の二重構成と、
建具のない開口を通して見え隠れする空間同士の関係。
当家の内部はこれに尽きると言ってもいいでしょう。

Ksh_2f02

都市部の住宅においては周辺の景色を取り入れることは困難で、
それ故、コートハウス、空に開いた空間構成、などなど、
外部空間をいかに取り込み開放感を出すかに
設計者は腐心すると思います。
それでも、外部に頼るだけでは限界もある。

ここでは、屋内風景といったものを作ったらどうかと考えました。
内部の開口によって切り取られたあちら側の様子。
コの字型に折れ曲がった空間の先へ先へと続いてゆくような感覚。
これは連続する床と、壁によってあちら側が隠されたことで生じた感覚の覚醒。
このような心理的調整の積み重ねで広さの感覚が変わってきます。
空間を楽しむには子供っぽい想像力を働かせてみることも必要かもしれませんね。



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