世田谷美術館では建築家・内井昭蔵氏の回顧展が開催されていた。日曜日に美術館のある砧公園を訪れたが朝の空いている美術館は清々しくてとても気分が良かった。
世田谷美術館は何度か訪れたことはあるが、今回は設計者自身の展覧会なので、設計された実物と図面などを見比べたりと興味は尽きない。この建物は様々な装飾を見るだけでも見飽きないし、とても一度では見切れない感もある。今回の展示では、展示室の大きな窓がみな開らかれており、作品を見ながら同時に砧公園の広々とした景色も眺められた。
展示室に窓があることなど、ちっとも知らなかったが、設計者の展覧会ということで、美術館そのものを楽しんでもらう趣旨だったのだろうか。広々とした明るい空間で作品を鑑賞できることは、とても気分が良いし、それに、沢山の展示物を見ても疲れないのも良い。
催しの内容が許せば、外の景色を取り入れることをもっとやって欲しいと思う。最近ではデパートなどでも、テラスを設けたり、外を感じられるようにしているところがある。
ゆっくり過ごしてもらうにはその方が良いのだろう。どんな空間でも適切に窓があり、良い光が入ればそれで十分、などと思いたくなる。特徴的であり、普遍性のある空間。器の大きな建築は大切に使いたいのだ。展示とは関係無いかもしれないが、そんなことを思った。